「准教授日記」カテゴリーアーカイブ

日記とは言っても、毎日更新しません、できません。

新歓を行いました

4月6日、京都市内某所にて、新人の歓迎会を行いました。

総勢12名の小所帯ながら、話題も途切れず、とても盛り上がりました。

例年会議室に集まって、素面で自己紹介をしていたのですが、今年は、歓迎会で全員自己紹介をすることにしました。

私が先頭でしたので、後のことを考えて控えめにスペックのみの自己紹介をしました。

これが、進んで行くにつれ、お酒のせいか、どんどん面白くなっていき、質問も盛んに出るようになりました。

そして、最後の新人2名はなかなか面白い自己紹介をしてくれました。

他に嬉しかったのは、多様性を認める配慮が皆できていたことです。

お酒を飲まないことも、食べられないものがあることも分かった上で、自然に付き合うことができるようになっていると思いました。

今年も1年が大変楽しみです。

2015年新歓会場。良い雰囲気で、楽しめました。
2015年新歓会場。良い雰囲気で、楽しめました。

例年より少し早いスタートです

新メンバーが加わり、授業開始より一足早く、新年度の本格的なスタートを切りました。

今年は、2名の新4回生が配属されました。期待しています。

 

顔合わせ(初召集)については、これまでとやり方を変えました。

新年度第1回の研究会に新メンバーを呼び、掛谷が研究室での過ごし方や今年の目標についてプレゼンを行いました。

研究を行う上で考えてほしいことについては、以下の3点を強調しました。

  1. 挨拶をする
  2. 安全は最優先
  3. 研究の記録を残し、論文として出版することが研究者の存在意義

挨拶は当たり前ですが、日常では意外にできていません。でも、就職(活動)で会社に行ったり、研究室にお客さんがいらした時は、みんな挨拶できています。かたや、大学内部の日常に目を向けると、見知らぬ人に会っても、たとえ知ってる先生に会っても、挨拶しなくってもいいんじゃないかっていう雰囲気があるような気がします。できるんだからしようよ、っていうのが正直な気持ちです。挨拶をきちんとすれば、いろんな人間関係に関わる問題が回避できると思います。

安全は言うまでもありません。

記録に関してですが、これは昨年のO事件に関係しています。それと、研究は論文にしないと意味がないっていうことも、わかっておいて欲しいことです。

 

研究室の運営に関してもいくつか変更しました。

  1. 配布物は原則英語で記述
  2. 4回生は4月から研究スタート
  3. 研究室運営に関する学生の負担を軽減

1は、世界共通に参照できる資料を残していく、というポリシーからです。

3については、今まで特にM1が負担していた研究室運営に関する日常業務を研究室秘書に移行していきます。

では、今年度もよろしくお願いします。

 

gp2015最近外に出ることが多いので、日焼けしています。

 

研究室のポリシー

私たちの研究室では、自由な雰囲気のもと、メンバーが各自のペースで研究活動を実施しています。

研究室で重視していることは、

  • 常識にとらわれないこと
  • 失敗を恐れずにチャレンジすること
  • とにかく、全力を尽くすこと

です。

このような姿勢ができていれば、必ず研究成果はついてきます。

とはいえ、未知のことに挑戦しているわけですから、努力が研究成果として間違いなく表れるとは限りません。

たとえ、研究成果として実を結ばなかったとしても、苦労して得た経験や人脈というのは、その後の人生にかけがえのない宝になるはずです。

研究室では、挨拶と会話を重視します。これは、発想の瞬発力を鍛えます。

たとえば、廊下で誰かとすれ違うとします。このとき、あなたの頭の中では、いろんな考えが働きます。

最悪なのは、黙ってすれ違おうという考えです。

そこを頭を巡らせて、何か一言気の利いた言葉をかければ、そこであなたの印象もアップしますし、あなたの発想も鍛えられたことになります。

このようなことの繰り返しで、研究だけでなく、発表、発想力が鍛えられると思います。

ぜひ、このような研究生活を過ごしてみたいと思いませんか。

統計物理学のフィードバック授業

統計物理の授業が時間切れで中途半端に終わってしまったので、試験終了後1週間のフィードバック授業期間に講義を行いました。

誰も来てくれなかったらどうしようと思いながら、吉田南キャンパスの講義室(200人収容)に入ると、5名ほどいてくれて一安心。

最終的に、13名ほどの学生さんが参加して下さいました。

無事に、ボーズアインシュタイン凝縮まで進んで、最後に記念写真をぱちり。

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半年間お世話になりました。

 

感謝:国際学会が無事終了しました

11月30日から12月3日まで実施した国際学会THz-plasma2014の主催を無事終えることができました。各国からお越し頂いた皆さん、奴隷のように働いてくれた研究室の学生さん、アルバイトに参加してくださった京大の学生さんに感謝します。また、支援くださった財団、学会、企業の皆様に感謝申し上げます。

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この集合写真はエクスカーションの前で、ちょっと寒かったですが天候も良く、皆さん最高の笑顔です。

国際会議の準備を進めています

日曜日から始まる国際会議、THz-Plasma2014の準備を進めています。

本日は口頭発表の練習に引き続き、参加者へ配布する会議バックの袋詰め作業を行いました。

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総勢10名で約100部のプログラム、ノート、協賛パンフレットを工学研究科オリジナルのトートバッグに入れます。

これがその成果の一部

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ネームカードの整理に少し難航しましたが、1時間半で予定されていた作業を終了しました。明日吉田キャンパスに運搬します。

盛り上がってきましたね。

低温工学・超電導学会東北北海道支部若手セミナーで講演

岩手県雫石町で行われた低温工学・超電導学会東北北海道支部第19回超電導・低温若手セミナーに招待頂き、講演させていただきました。

京都を出発し、新幹線を東京で乗り継ぎ、はやぶさに乗車しました。

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東京駅から2時間余りで盛岡駅に到着。とても速いです。飛行機はちまちま移動とか待ち時間があることを考えると、新幹線が移動の時間も有効に使えて良いです。しかも、伊丹から盛岡花巻へはJALしかとんでいないので、安いチケットがない。

盛岡駅に集合し、バスで会場「赤い風車」へ。

まずは東北大野島さんの講義「超伝導薄膜と渦糸状態」。
学生時代のYBCOエピタキシャル薄膜育成の話から、渦糸グラス理論、最近の電界誘起超伝導の話まで、筋の通った、わかりやすく、少し高尚な話でした。
野島さんとは、渦糸物理関係で良くご一緒しますが、ここまで長い講義をお聞きしたのは初めてで、東北大のベストティーチャー賞(?)を受けるのもよく分かります。

次は、学生さんの発表でした。
9名の学生から発表がありました。
いずれも、M1とB4で、きちんと研究が進んでいる、という印象を受けました。
うちの研究室の学生にも見せたかった発表でした。

翌日朝は、私の講義。
「固有ジョセフソン接合の物理と高温超伝導テラヘルツ光源」と題して、固有ジョセフソン接合の導入から最近のテラヘルツ発振の話、巨視的量子トンネルの実験について報告しました。
少し研究の最先端に行き過ぎたかな、という感もありましたが、聴講頂いた学生の皆さん、東北北海道支部の役員の先生方からも質問をいただきました。
しかも、時間を10分ぐらい超過してしまいました。スミマセン。

その次の講義は、鉄道総研の長島さんの講義でした。
「磁気浮上式鉄道と超電導技術」
超伝導MAGLEVの開発の歴史と、L0の営業運転に向けた現在の試験状況の報告でした。
ちょうど、8月中旬のASCでJR東海ワシントン事務所の方の講演を聞いたあとで、しかもリニア中央新幹線の工事認可が下りた直後で、非常にタイムリーな聴講になりました。

宿の前で写真撮影し、盛岡駅で解散しました。

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帰りのはやての車窓からは、刈り取り間近の岩手の美田がよく見えました。

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最後になりましたが、東北北海道支部の役員の皆様、お誘い頂いた岩手大の内藤さんに御礼申し上げます。

住友電工がBi系超伝導体を使用したコンパクトな超伝導マグネットシステムを発売

先日、住友電工からメールが配信され、ビスマス系超伝導体を用いたコンパクトなマグネットが発売されるとの情報を得ました。
http://www.sei.co.jp/super/magnet_coil/system.html#6t

今回当社が開発した冷凍機冷却型超電導マグネットシステム本体は、質量を100kgと従来システム本体の1/4まで軽量化し、寸法も奥行0.8m、幅0.3m、高さ0.3m と、同様に1/5まで小型化することに成功しました。また本システムは、永久磁石の検査工程中の磁化特性測定等への適用を視野に入れて開発したシステムで、B-Hカーブトレーサ、振動試料型磁力計(VSM)、ハードディスク検査装置等に加えて、磁場中熱処理炉等の製造装置への適用も可能です。

 

質量が100kGで最大磁場が6Tというコンパクトさも素晴らしいですが、特筆すべきは、30秒で6Tまで上げられることですね。

通常の超伝導コイルはNbTiを使っており、磁場の均一性を高めるなどの理由により自己インダクタンスが大きく、磁場スイープには時間がかかっていました。

高温超伝導体を使うことで、液体ヘリウムがなくても強磁場が出せるというのは、新興諸国の研究や産業の発展に大きな力になることと思います。