3月15日から18日の間、上智大学で行われた応用物理学会第70回春季学術講演会に大住と小林(ともにM2)が以下の通り発表を行いました。
[15p-D209-9] 反応性スパッタ法により成膜した窒化ハフニウム薄膜の加熱による仕事関数低下量の評価
〇大住 知暉1,2、長尾 昌善2、後藤 康仁1 (1.京大院工、2.産総研)
[17p-D209-5] 有効媒質近似を用いた超伝導テラヘルツ光源の解析および設計
〇(M2)小林 亮太1、巴山 顕1、掛谷 一弘1 (1.京大院工)
3月15日から18日の間、上智大学で行われた応用物理学会第70回春季学術講演会に大住と小林(ともにM2)が以下の通り発表を行いました。
〇大住 知暉1,2、長尾 昌善2、後藤 康仁1 (1.京大院工、2.産総研)
〇(M2)小林 亮太1、巴山 顕1、掛谷 一弘1 (1.京大院工)
物質材料研究機構の齋藤嘉人氏、高野義彦MANA主任研究者との共同研究で針状(ウィスカー)超伝導結晶を用いたテラヘルツ発振デバイスに関する論文がApplied Physics Letters誌のEditors’ pick(編集部おススメ)として掲載されました。
Appl. Phys. Lett. 121, 212601 (2022); https://doi.org/10.1063/5.0123290
Y. Saito, I. Kakeya, and Y. Takano
今回、私たちは短時間で育成できるビスマス系高温超伝導ウィスカー結晶を用いたテラヘルツ発振デバイスの開発に成功しました。超伝導テラヘルツ光源にはこれまで平板状単結晶が用いられてきましたが、ウィスカー結晶を用いることにより、素子作製時間の短縮と多機能化が見込まれ、研究開発の加速が期待できます。
本成果については、京都大学よりプレスリリースもされておりますので、そちらも参照ください。
第83回応用物理学会秋季学術講演会(東北大学)において、3件の研究室メンバーによる発表を行いました。
〇西村 太一1、中村 公大1、小森 祥央2,3、J. ロビンソン3、J. マンジュネ4、J. ティノン4、S. ディロン4、掛谷 一弘1 (1.京大院工、2.名大院理、3.ケンブリッジ大学、4.パリ ENS)
〇(M1)柳生 望光1、小林 亮太1、掛谷 一弘1 (1.京大院工)
〇(M2)小林 亮太1、巴山 顕1、掛谷 一弘1 (1.京大院工)
ほか、共著論文として、3件の発表が共同研究者により行われました。
日本物理学会2022年秋季大会(東京工業大学)で下記1件の発表を行いました。
13aW935-6 PCMO/YBCO二層膜におけるテラヘルツ時間領域分光 西村太一A, 中村公大A, 小森祥央B, C, J. ロビンソンC, J. マンジュネD, J. ティノンD, S. ディロンD, ○掛谷一弘A
また、東北大学の野島先生によるチュートリアル講演「新展開を見せる2次元超伝導研究へのチュートリアル:原子層物質の低次元性と高い結晶性が生み出す新規物性」の座長を務めました。本チュートリアル講演は掛谷が提案し、学会において採用されたもので、当日は150名程度の現地参加、100名程度のオンライン参加という大変盛況で、当該分野の注目度が再認識されました。
応用物理学会の英文速報誌Applied Physics Express (APEX)に投稿していた高温超伝導ジョセフソンプラズマ光源の回路モデルとその数値計算を報告した論文が受理されました。
以下リンク先にプレプリントが公開されております。
https://iopscience.iop.org/article/10.35848/1882-0786/ac8597
10月12日から14日までフランス、パリのCollege de Franceを現地サイトとしてハイブリッド形式で実施された国際会議”Low dimensional superconducting hybrids for novel quantum functionalities“において、掛谷が25分の
Mutual synchronization of non-linear Josephson oscillations mediated by superconducting plasmons of cuprate superconductors
と題した招待講演を行いました。
当該会議は、欧州における科学技術振興のための共同研究の枠組みCOSTにおける一つのプロジェクトであるNANOCOHYBRIの一環で、主に欧州の研究者が研究交流を行う中、少数の日本からの研究者として講演を行いました。
オンラインで実施された、日本物理学会2020年秋季大会で掛谷が領域6「超伝導」セッションにおいて発表を行いました。
また、掛谷の発表に引き続いて筑波大学の辻本学助教が我々との共同研究成果の発表を行い、掛谷は共著者として質問に答えました。
9aF1-1 固有ジョセフソン接合メサ構造の臨界電流分布制御による円偏光テラヘルツ波放射
掛谷一弘A、前田慶一郎A、巴山顕A、栗山由也A、
アセムエルアラビA、辻本学A、浅井栄大A
京大院工A 、筑波大数理物質B 、産総研C
9aF1-2 Bi-2212固有接合系における巨視的ジョセフソン振動の相互同期
辻本学A、藤田秀眞B、桑野玄気A、前田慶一郎B
アセム エルアラビB,掛谷 一弘B
筑波大数理物質A 、京大院工B
双方の発表共に、聴講者から数多くの質問が出ました。
高温超伝導テラヘルツ光源の同期発振現象に関する筑波大学、パリ高等師範学校(ENS)との共同研究の成果がPhysical Review Applied誌のLetterセクションに掲載され、Editors’ Suggestionとして注目論文に採用されました。
本論文では、高温超伝導体単結晶上に作製したテラヘルツ光源から放射される電磁波の偏光(電磁波の偏り)について、素子構造のひとつから放射される場合とふたつから同時に放射される場合を比較して議論し、二つの素子構造におけるジョセフソン効果による電流振動が位相同期して強度の強い放射を実現していることを明示しています。
本研究の成果により、以下の波及効果が期待されます。
本研究は、当研究室卒業生である藤田秀眞氏の修士論文(2019年2月提出)での実験結果に加え、筑波大辻本グループによる精密測定と解析を得て、辻本博士、掛谷准教授、Dhillion博士 (ENS)で論文を執筆しました。本研究の技術的な肝であるテラヘルツ光学素子の検証がENSグループとの共同研究です。
Physical Review Applied誌のLetterセクションはPhysical Review Lettersと同等の観点で査読されることから狭き門でしたが、幸いにも受理され、さらにはEditors’ Suggestionにも採用されました。今後は本成果を発展させる研究を進めていきます。
筑波大学と京都大学から共同プレスリリースが出されておりますので、そちらもご覧ください。
後藤准教授が筆頭著者の真空電子デバイスに関する論文がIEEEの雑誌、IEEE Transactions on Electron Devicesに掲載されました。
Y. Gotoh et al., “Development of a Field Emission Image Sensor
Tolerant to Gamma-Ray Irradiation”,
IEEE Transactions on Electron Devices Volume 67, Issue 4,
pp. 1660-1665 (2020).
https://doi.org/10.1109/TED.20