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応用物理学会春季学術講演会で3件の発表

3月11日から14日まで東海大学湘南キャンパスで行われた応用物理学会春季学術講演会で以下の3件の発表を行いました。

11.1 超伝導/基礎物性

野村 義樹、温 一凡、神原 仁志、掛谷 一弘

温 一凡、吉岡祐介、野村 義樹、辻本学、掛谷 一弘

3.9  光・フォトニクス/テラヘルツ全般

吉岡 佑介、辻本 学、中川 裕也、〇掛谷 一弘

掛谷、野村が日本原子力研究機構計算科学研究センターで講演

2月27日、東京大学柏の葉キャンパス駅前サテライトで実施された日本原子力機構計算科学研究センターセミナー「固有ジョセフソン接合の新展開」において、掛谷と野村(D1)がそれぞれ40分の招待講演を行いました。

掛谷は、固有ジョセフソン接合からのテラヘルツ波発振についての最近の成果である、素子の温度分布と発振強度の相関について発表を行いました。

野村は、固有ジョセフソン接合における巨視的量子トンネル現象について、さまざまなBi系超伝導体における系統的な成果について発表しました。

他研究機関からの参加者からも講演があり、密度の濃い議論が展開されました。

J. Phys. Soc. Jpn.に論文掲載

J. Phys. Soc. Jpn.にD1野村君第一著者の論文が掲載されました。

Y. Nomura, T. Mizuno, H. Kambara, Y. Nakagawa, and I. Kakeya
“Enhanced Macroscopic Quantum Tunneling in Capacitively Coupled BiPb2201 Single-Layered Intrinsic Josephson Junctions”

DOI: http://dx.doi.org/10.7566/JPSJ.84.013704

本論文では、高温超伝導体に内在する固有ジョセフソン接合において起きる巨視的量子トンネル現象について、原子スケールの相互作用(電荷結合)の存在を示す実験結果を報告しています。
固有ジョセフソン接合では、超伝導の巨視的量子効果によって巨視的なスケールの相互作用(磁気結合)が明らかになっており、この成果により高温超伝導体を用いた量子ビットやテラヘルツ光源の開発が促進されます。

感謝:国際学会が無事終了しました

11月30日から12月3日まで実施した国際学会THz-plasma2014の主催を無事終えることができました。各国からお越し頂いた皆さん、奴隷のように働いてくれた研究室の学生さん、アルバイトに参加してくださった京大の学生さんに感謝します。また、支援くださった財団、学会、企業の皆様に感謝申し上げます。

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この集合写真はエクスカーションの前で、ちょっと寒かったですが天候も良く、皆さん最高の笑顔です。

集積機能工学セミナー(浅井栄大氏)

浅井栄大博士(産総研)をお招きして集積機能工学セミナーを開催しました。

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超伝導量子メタマテリアルの電磁場応答理論

浅井 栄大

産業技術総合研究所 電子光技術研究部門

近年、新たな電磁波制御技術としてメタマテリアル[1]に大きな注目が集められている。メタマテリアルは、対象とする電磁波の波長に比べて十分小さな「人工原子」と呼ばれる微小構造体から構成される人工物質で、人工原子の形状や配置によって誘電率や透磁率を自在に制御する事ができる。しかし、従来のメタマテリアルは古典電磁気学の限界を超えた電磁波制御を行う事が出来ない。それに対し、近年人工量子二準位系(量子ビット)を人工原子とする量子メタマテリアル(QMM:Quantum MetaMaterial)が大きな注目を集めている[2,3]。QMM においては、量子状態の重ね合わせ状態や量子もつれ状態を利用する事で、古典メタマテリアルでは達成できない新奇な電磁場制御の発現が期待できる。また、最近になってドイツのグループが超伝導回路QEDを用いた量子メタマテリアルの実現に成功した[4]。

本セミナーにおいては、超伝導量子ビットから構成されるQMMの電磁波応答に関する我々の研究について紹介を行う。数値シミュレーションの結果、QMMは量子ビットの状態に依存して極めて多彩な電磁場応答を示すことが明らかになった。講演では、レーザー発振、磁場下で生じる量子渦状態及び「人工超伝導体」の発現について紹介する[5]。

[1] 北野正雄, 応用物理 78, 503 (2009)

[2] A. Rakhmanov et al., Phys. Rev. B 79, 184504 (2009)

[3] A. Shvetsov et al., Phys. Rev. B 87, 235410 (2013)

[4] P. Macha et al., arXiv:1309.5268

[5] H. Asai, S. Kawabata, S. Savel’ev, and A. Zagoskin, in preparation.

(文責 辻本)