2020年3月19日に厚生労働省から発表された「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」などを受けて、講義・研究活動を当面の間以下の通り実施することをお知らせいたします。
講義
電気伝導(4回生)
Zoomを用いた遠隔講義
受講者の自宅・研究室から受講してください。
量子論電子工学(大学院)
Zoomを用いた遠隔講義
自宅・研究室からZoomによる遠隔聴講をお願いします。
研究室活動
個々の研究活動はこれまでと同様に進めます。
研究室で4名以上が集まる際は、個々の間隔が2メートル以上になって円卓着席できる部屋を使用します。
大勢が集まる講習会はほぼすべてがオンライン講習となります。
東京・四谷の弘済会館で開かれた日本学術振興会超伝導エレクトロニクス第146委員会第96回総会で掛谷が「高温 超伝導体からのジョセフソンプラズマ放射の物理と多機能テラヘルツ光源の開発 」という題目で招待講演を行いました。
146委員会は、学界と産業界の融合を進める委員会で、講演後の質疑応答では、産業界の研究者とも意見交換を進めました。
10月29日、掛谷准教授が、東京駅前新丸ビルの京都アカデミアフォーラムで行われた京大テックフォーラム『次世代光技術の開拓 ~テラヘルツ、赤外光技術とマテリアルズインフォマティクスの拓く光社会~ 』で講演しました。
掛谷は「超伝導とテラヘルツが切り拓く未来社会」というタイトルで、超伝導量子計算技術の進展から集積研で行われている巨視的量子トンネル現象の研究、並びにテラヘルツ技術の応用の紹介から、高温超伝導体を用いたジョセフソンプラズマ光源の研究の進展について講演させていただきました。
他の2名の先生方の講演も非常に興味深く、ぜひ共同研究を一緒にしたいと思わせるものでした。
企業で研究開発に携わっている方々や、ベテラン科学記者の方とお話ができ、大学の中にいるのとは全く異なる交流ができたように感じました。
10月29日、東京駅前新丸の内ビルにある京都アカデミアフォーラムで行われる「京大テックフォーラム」で講演させていただくことになりました。
電子工学専攻、電気工学専攻の研究室が1回ずつ担当する「融合光・電子科学の展望 」の講義を行いました。
私たちの研究室は、
「高温超伝導体固有ジョセフソン接合の物理と応用
−超伝導フェイゾニクス(Phasonics)へ」
と言う題目で、講演いたしました。
講演の内容は以下の通りです。
超伝導の基礎概念
海外での研究滞在
高温超伝導体をはじめとする新奇超伝導体
高温超伝導体における固有ジョセフソン接合
固有ジョセフソン接合からのTHz波発振
巨視的量子トンネル現象
超伝導量子コンピュータの開発状況
今回は、取りまとめの先生からの依頼もあり、2017年前半に6か月滞在したパリ高等師範学校での研究などの話をさせていただきました。
スライドのpdfはこちら です。
7月17日の午後、客員教授として在籍しているパリ高等師範学校(Ecole Normale Surperieure)のLaboratoire perre aigrainでのセミナー 講演の機会をいただきました。
“Emission of coherent terahertz electromagnetic wave from intrinsic Josephson junctions of high-temperature superconductors: progress and perspective ”
と題した講演で、高温超伝導体を基盤としたテラヘルツ光源にかんするこれまでの進展と将来の展望について1時間余りの講演をさせていただきました。
講演前の緊張する時間。
夏休みが始まったタイミングにもかかわらず、多くの方が聴講に来られて、非常に多くの質問をいただきました。
LPAにおいてテラヘルツ光源は半導体による量子カスケードレーザーが良く研究されていましたが、私たちが発見した高温超伝導テラヘルツ光源は量子カスケードレーザーを補完する連続テラヘルツ光源だということを理解していただけたように感じました。
ジョセフソン接合についての説明。聴衆の方を見てしゃべるべきですね。
7月9日、パリ若手物理学者の会で講演する機会をいただき、
「超伝導現象にみられる自然の普遍性ーHiggs機構から蛍の明滅までー」
という大げさなタイトルで、研究者になったいきさつから超伝導の基礎的概念までお話しさせていただきました。
「パリ若手物理学者の会(若物会)」は、パリ及びその近郊に滞在して広い意味での物理学に関係する研究者の集まりで、おおむね月に1度セミナーを開催してお互いの研究について議論をし、海外生活に関する情報を交換しています。
参加者の背景は様々で、素粒子理論・宇宙論のポスドクや惑星科学の博士課程学生、私のような物性物理の教員も当然いますが、医師を含めた生物の研究者も参加しています。
パリ国際大学都市日本館の大ホールで講演することになり、なかなか素敵な雰囲気です。
そういった広い背景を持つ聴講者なので、なかなか話の出来ない、大学での講義、アウトリーチ活動、研究プロジェクト獲得の苦労話もさせてもらいました。
磁気浮上をはじめとする超伝導現象についての紹介をしましたが、これが意外にも知られておらず、驚きをもって聞いていただきました。まだまだ超伝導について布教の余地があるようで、志を新たにしました。
皆さんから様々なご質問をいただき、大変充実した時間になりました
6月12日、パリ郊外、PalaisauにあるEcole PolytechniqueのYannis Laplace博士に招かれて、セミナーを行いました。
パリの住まいであるCite Internationale UniversaireからRERという通勤鉄道に20分ほど乗った場所にあるLozereという小さな駅から階段を含む山道を登って着いた先は、大学のキャンパスながら馬が放牧されているという素晴らしい環境。
Yannisと会って、大学を案内してもらいました。彼の説明ではこの学校はフランス軍のエリートを育成する学校で、学部は全寮制となっている。入学試験には数学や物理だけでなく、運動もあり、なかなかスパルタンな学生がそろっているとのこと。そのため、制服姿の兵士(時に銃を持っている)もうろうろしているという、さらに日本ではありえない状況が見られます。馬が放牧されている長閑さとのコントラストが印象的です。
さて、セミナーでは固有ジョセフソン接合からのテラヘルツ発振を中心に私たちの研究を紹介しました。
45分の予定のところ、質疑応答が多く、90分も使ってしまいました。月曜日の午前中だったせいか、言葉が出てこなくて苦労しましたが、皆さん辛抱強く聞いてくださいました。
その後、Yannisと共同研究の話をして、9月までにもう一度会うことを約束して別れました。
また、私たちの研究分野で長らく活躍されているMarcinとKeesにも会うことができて、素晴らしい1日になりました。
ロンドン訪問に引き続き、ケンブリッジ大学を訪問しました。
ロンドンから郊外電車で1時間、ケンブリッジに到着します。
昨年まで集積研に在籍していた小森氏と待ち合わせ、博士研究員として勤務する物質科学科を見学しました。
ケンブリッジ大学には2009年に一度訪問したことはあるのですが、じっくり研究室を見学させてもらうのは初めてでした。ひとりに1台と言っても過言ではないのスパッタ装置やX線回折装置など、実験装置の充実ぶりにはとにかく驚いた。ここで結果出せないとダメという小森君の決意を聞きながら、ここまでそろっている研究者に勝つためにはどうしたらいいのか、考えながら見学していました。
論文作成のための濃密な議論がほぼ終わった日曜日、筑波大出身のKaveh氏とも合流して、物理学者のあこがれCavendish研究所も見学できました。
滞在中のケンブリッジは、30度を超えるという、真夏でもあまり経験しない暑さ。
ケム川のボートや日光浴を楽しむ人たち、老若男女の観光客でケンブリッジの町はにぎわっていました。
ケンブリッジはいわゆる学園都市なのですが、つくばなど日本の学園都市にもこのように観光客が来るようになれば、日本の科学もより豊かになると思いました。
イギリス・ロンドンにあるUniversity of College LondonのPaul Warburton 教授を訪問し、講演の機会を頂きました。
ロンドンへは、パリからユーロスターで2時間半。大阪から東京に行く時間ですが、パリの北駅ではフランスの出国とイギリスの入国手続きもありました。数日前にマンチェスターで起きたテロのせいか、入国審査では滞在期間や行先など事細かに聞かれ、出発数分前、ようやく列車に乗ることができました。
ロンドンのセントパンクラス駅に到着後のユーロスター
翌日11時から始まった講演には、多数の聴講者に参加頂き、活発な質疑応答がなされて、予定の1時間半を超えて、2時間におよびました。
講演後は、Warburton研究室の若手と議論を重ねました。京都の国際会議に来てくれたPhDの学生や、2009年に京大の学生と訪問した時から在籍しているポスドクと固有ジョセフソン接合や位相スリップの議論を行いました。
夕方はラフボロー大学物理学科が主催するSir Nevill Mott Lecture に出席するため、East Londonの2012年ロンドンオリンピック跡地にあるラフボロー大学ロンドンキャンパスに移動しました。
モットレクチャーのサイネージ。ロンドンの都心でやっているようなデザインですが、ロンドンの人に言わせると、East Londonは違う街だそうです。
トポロジカル物質に関する光電子分光について、Princeton大学のZahid Hasan教授による素晴らしい講演が聞けました。
その後のカクテルパーティやディナーでは、幸運にも講演者と話すことができて、ホストかつ旧友であるLoughbrough大学のSergeyやMaratと物理学談義に花を咲かせました。
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京都大学の超伝導・真空電子デバイスに関する研究室, Research group for superconducting and vaccum electronics in Kyoto Univ.