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ISS2015で3件の発表

11月16-18日に東京、船堀ホールで行われた28th International Symposium on Superconductivity (ISS2015)で、野村、アセムが口頭講演、鵜沢がポスター発表を行いました。

Oral Presentations

Nov. 17
PC-19
 15:40-15:55
Decrease in MQT Rate for Second Switch in Bi2Sr2CuO6+δ Intrinsic Josephson Junctions
Yoshiki Nomura, Hitoshi Kambara, Yifan Wen, Itsuhiro Kakeya

Nov. 18
FD-12
 10:20-10:40
Generation of Elliptically Polarized Terahertz Waves using a High-Tc Superconducting Bi2Sr2CaCu2O8+δ.
A. Elarabi, Y. Yoshioka, M. Tsujimoto, Y. Nakagawa, I. Kakeya

Poster Presentation

PCP-13  
Superconducting Fluctuation in PbSr2Y1-xCaxCu2O7+δ Epitaxial Films Observed by Terahertz Time-Domain Spectroscopy
Akira Uzawa, Sachio Komori, Itsuhiro Kakeya

研究室旅行 in 美山

1泊2日で南丹市美山町に行ってきました。

三国岳、頭巾山、長老山など800-900メートル級の連山に囲まれた小さな集落。その山あいを縫うように、町の中心部を美しい由良川水系「美山川」が流れていました。川に沿って建てられた民家のうち約250棟は昔ながらの茅葺き民家で、集落は国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されているそうです。

豊かな緑と、清らかな水の流れを持つ農村の原風景に心も体も癒やされました。集団行動・レクリエーションを通じて研究室の交流を深めました。

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(文責:辻本)

京丹波町立下山小学校に出前授業

京都府教育委員会が実施する「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」事業で、京丹波町立下山小学校を掛谷、野村、岡本の3名が訪問しました。

桂キャンパスから京都縦貫道を丹波ICで降りて10分ほど走った山あいに下山小学校はありました。

準備終了後、校長室で校長先生にご挨拶。校長室に入ったことなんて小学生の時もあったでしょうか・・・。

さて、予定の時間が来て、会場の体育館に子供たちが集まってきました。1年生から6年生まで全校児童60名に対しての授業です。

まずは、液体窒素で超伝導体をひやして、磁石をうかせます。

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子供たちは、見たことのない現象に興味津々です。

さらに、温度とは何か、ということを説明するために、ゴムふうせんを液体窒素で冷やしました。

子供たちの予想を聞くと、割れてしまう、と言うのが多かったですが、見事「小さくなる」と言う予想もありました。

しかし、ぺちゃんこになってしわしわになり、あたためると元に戻る、ということにはびっくりしていたようです。

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つぎに、電気について知ってもらうために、1円玉と10円玉で電池を作りました。

5,6年生に濾紙を1円玉のサイズに切ってもらい、それを3つのテーブルに分けて、1,2年生、3,4年生、5,6年生で12個の11円電池を作って、LEDを光らせます。

光ったときは、「わあ、光った」、と歓声が沸きました。

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もし、おうちでそんなことをしているお子さんがいたら、許して下さいね。

片付けを終え、再び校長室でご挨拶をして、下山小学校を後にしました。

出際に、手伝ってくれた岡本君と記念撮影。

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こどもたちから、パワーと活力をもらうことができて、楽しい午後でした。

京都大学アカデミックデイ2015に出展

京都大学アカデミックデイ2015に出展いたしました。

「京都大学アカデミックデイ」は京都大学「国民との科学・技術対話」支援事業の一環として、市民や研究者、文系、理系を問わず、誰もが学問の楽しさ・魅力に気付くことができる「対話」の場となることを目指している企画です。年に一度、100名以上の研究者が一堂に会します。これは、国民と科学・技術に関わる本学の研究者が直接対話することで、本学の研究活動をわかりやすく説明するともに、国民の声を本学における研究活動に反映させることを1つの目的として始めた取り組みです。(アカデミックデイ2015メインサイトから引用)

出展ブースには小学生からベテランの研究者まで、非常にたくさんの方々にご来場いただきました。超伝導技術に関心のある方をはじめ、超伝導体の磁気浮上デモンストレーションに興味を持っていただいた方、テラヘルツ光源について質問に来られた方などと、楽しくお話をさせていただきました。皆様との対話を通じて社会の役に立つ研究をしているという実感がわき、また研究成果をわかりやすく発信するためにはどうしたらよいか考えさせられる良い機会となりました。

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【リンク】
京都大学アカデミックデイ2015 メインサイト
http://research.kyoto-u.ac.jp/academic-day/2015/

京都大学アカデミックデイ2015 研究者と立ち話
「高温超伝導テラヘルツ光源の開発」
http://research.kyoto-u.ac.jp/academic-day/2015/031/

(文責:辻本)

日本物理学会2015年秋季大会で3件の発表

9月16日から19日に関西大学で開催された日本物理学会2015年秋季大会において、3件の口頭発表を行いました。

題目 著者 所属
PbSr2Y1-xCaCu2O7+δ単結晶薄膜における固有ジョセフソン特性
小森祥央
掛谷一弘
京大院工
Bi2212固有ジョセフソン接合からのテラヘルツ発振に関する元素置換効果
温一凡
野村義樹
辻本学
掛谷一弘
京大院工
Bi2Sr2CaCu2O8+δ固有ジョセフソン接合からのテラヘルツ波発生におけるストライプ状微細発振構造の起源
辻本学
斉藤寛
土居卓司
温一凡
Asem Elarabi
掛谷一弘
Fabian RudauA
Raphael WielandA
Reinhold KleinerA
京大院工
Universität TübingenA

(文責:辻本)

Supercond. Sci. Technol.誌に論文掲載

本研究室の新しい論文が英国物理学会(IOP)出版局のSuperconductor Science and Technology誌に掲載されました。

私たちは超伝導テラヘルツ光源の材料である高温超伝導体の元素置換効果に着目しています。本論文では、これまで使われてきたビスマス系高温超伝導体のビスマス(Bi)元素の一部を鉛(Pb)で置換した素子を作製し、テラヘルツ分光測定などによって明らかになったPb置換効果について報告しました。Pb置換素子では発振の高周波化が期待できます。また、Pb置換によって大型単結晶の育成が容易となることは工業的に重要です。

超伝導テラヘルツ光源の実現をめざした化学的アプローチは本研究室のオリジナルな研究手法です。今後の成果にもご期待ください。

M. Tsujimoto, Y. Maeda, H. Kambara, A. Elarabi, Y. Yoshioka, Y. Nakagawa, Y. Wen, T. Doi, H. Saito and I. Kakeya
“Terahertz emission from a stack of intrinsic Josephson junctions in Pb-doped Bi2Sr2CaCu2O8+δ

DOI: http://dx.doi.org/10.1088/0953-2048/28/10/105015

(文責 辻本)

EUCAS2015で発表

9月6日~11日にフランス・リヨンで開催された12th European Conference on Applied SuperconductivityにD3小森が参加し「Superconductivity above 77 K in Pb1212 Epitaxial Films」という題目で口頭発表を行いました。大規模な学会の大きい会場での発表という有り難い経験をさせて頂きました。学会には参加費と旅費を援助して頂き大変感謝致しております。(文責:小森)

低温工学・超電導学会関西支部 基礎技術講習会で講義

低温工学・超電導学会関西支部 第31回低温工学基礎技術講習会で掛谷が「超伝導の基礎」の講義を担当し、大阪駅前第2ビルにある大阪市立大学文化交流センター大ホールにておよそ1時間の講義を行いました。

聴講者は、企業からの方と大学院生がほぼ半々で、講義開始時の調査では、超伝導の講義を受講したことのある方が1/3ぐらいのようで、意外に少ない印象を受けました。

講義の内容は超伝導の発見から基本的な性質の説明を行い、第2種超伝導体の話、銅酸化物超伝導体などの超伝導物質、そして渦糸状態と固有ジョセフソン接合の話を盛り込みました。

今回強調したのが、以下の2点でした

  1. アブリコソフによる第2種超伝導体の発見によって初めて超伝導が工学的に有用になった
  2. 未知の超伝導体はまだまだ埋もれている

1については、偉大なアブリコソフ先生とのプライベート写真を披露しながらお話ししました。さらに、この発見は、超伝導の応用を拡げたという意味で、高温超伝導よりも工学的な価値があると強調しました。

2については、最近Nature誌で発表された硫化水素の高圧下203K超伝導の話を挙げて「未踏の頂は数多い」とまとめました。

一方、現在応用が考えられているY123やBi2212などについては「里山の豊かな資源を人の役に立てましょう」というレトリックを用いて、我ながら秀逸!と思っちゃいました。

皆さんが超伝導に興味を持って、超伝導の物理や工学応用で活躍なさることを期待しています。

金光学園(岡山)から16名の訪問

岡山県の金光学園から中学生15名、高校生9名と先生2名が研究室を訪問されました。

掛谷准教授が事前課題として生徒さんから出された質問に答える形で、授業を行い、電気伝導や超伝導について学習しました。

桂キャンパスの極低温施設を見学したり、学食で研究室の大学院生が中高生に大学生活について教えたりなど、有意義な交流ができました。

京都大学に進学したい、と思った生徒さんがきっと増えたに違いありません。

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中1から高1までが講義を真剣に聴いています
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超伝導体のデモンストレーション