7月17日の午後、客員教授として在籍しているパリ高等師範学校(Ecole Normale Surperieure)のLaboratoire perre aigrainでのセミナー 講演の機会をいただきました。
“Emission of coherent terahertz electromagnetic wave from intrinsic Josephson junctions of high-temperature superconductors: progress and perspective ”
と題した講演で、高温超伝導体を基盤としたテラヘルツ光源にかんするこれまでの進展と将来の展望について1時間余りの講演をさせていただきました。
講演前の緊張する時間。
夏休みが始まったタイミングにもかかわらず、多くの方が聴講に来られて、非常に多くの質問をいただきました。
LPAにおいてテラヘルツ光源は半導体による量子カスケードレーザーが良く研究されていましたが、私たちが発見した高温超伝導テラヘルツ光源は量子カスケードレーザーを補完する連続テラヘルツ光源だということを理解していただけたように感じました。
ジョセフソン接合についての説明。聴衆の方を見てしゃべるべきですね。
7月9日、パリ若手物理学者の会で講演する機会をいただき、
「超伝導現象にみられる自然の普遍性ーHiggs機構から蛍の明滅までー」
という大げさなタイトルで、研究者になったいきさつから超伝導の基礎的概念までお話しさせていただきました。
「パリ若手物理学者の会(若物会)」は、パリ及びその近郊に滞在して広い意味での物理学に関係する研究者の集まりで、おおむね月に1度セミナーを開催してお互いの研究について議論をし、海外生活に関する情報を交換しています。
参加者の背景は様々で、素粒子理論・宇宙論のポスドクや惑星科学の博士課程学生、私のような物性物理の教員も当然いますが、医師を含めた生物の研究者も参加しています。
パリ国際大学都市日本館の大ホールで講演することになり、なかなか素敵な雰囲気です。
そういった広い背景を持つ聴講者なので、なかなか話の出来ない、大学での講義、アウトリーチ活動、研究プロジェクト獲得の苦労話もさせてもらいました。
磁気浮上をはじめとする超伝導現象についての紹介をしましたが、これが意外にも知られておらず、驚きをもって聞いていただきました。まだまだ超伝導について布教の余地があるようで、志を新たにしました。
皆さんから様々なご質問をいただき、大変充実した時間になりました
京都大学の超伝導・真空電子デバイスに関する研究室, Research group for superconducting and vaccum electronics in Kyoto Univ.