「アウトリーチ」カテゴリーアーカイブ

長岡第四中学校へ出前授業

京都府教育委員会「知的好奇心をくすぐる体験授業」で掛谷と小林(M2)が長岡京市立長岡第四中学校に伺って2年生を対象に「身の回りの工学」という題目で出前授業を行いました。

始めの1時間で超伝導体を使った磁気浮上のデモンストレーションを行いました。浮上している磁石を160名全員が触って、不思議な感覚を体験してもらいました。

まずは、スマートフォンを例にとり、既存の知を価値にする「イノベーション」の具体例を聞いてもらいました。

その後、2クラスずつに分かれて、1クラス6班で考えたイノベーションについて発表し、4件のベストイノベーションを生徒の投票で決めました。

イノベーションの中身だけでなく、プレゼンテーションも非常に盛り上がり、この生徒たちの将来が大変楽しみになりました。

中学校のサイトにも報告がありますので、ご覧ください。
https://www.kyoto-be.ne.jp/nagaoka4-jhs/cms/?p=1389

洛北高等学校附属中学校に出前授業

11月19日、京都府立洛北高等学校附属中学校の1年生80人を対象に、京都府教育委員会「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」の一環で掛谷と小林(B4)が出前授業を行いました。

今年度は出前授業の依頼は無いかもしれないと思っていましたが、ありがたくもお話をいただき、大変楽しみにしていました。

とはいえ、中学生向けの出前授業は過去に何度か経験があるものの、今は「密」を避ける工夫をしなければならないことと、今回は中高一貫校であることから内容を大幅に改め、話題の主役を「電気と低温」から「電磁波」に変えて生徒同士のディスカッションを重視した内容にしました。

題して
「身の回りの工学~世界は波であふれている~」
参加の生徒から「どこかで聞いたことある題名やな~」という突っ込みを受けました。さすが、鋭い。

内容の詳細は省略するとして、B4小林君の絶妙な場回しもあり、講義と議論は大盛り上がり、非常に楽しい時間を過ごすことができました。

このうちの何人かに数年後研究の場で会うことがあることを楽しみにしています。

ここから余談:私(掛谷)が訪問を楽しみにしていたもう一つの理由は、洛北高校が湯川秀樹・朝永振一郎の出身校であるのを知っていたからです。ご案内いただいた先生に「何か記念のものを拝見できますか?」と聞いてご案内いただいたのが以下の写真です。

右から湯川秀樹、朝永振一郎、貝塚茂樹の肖像写真。ほか、今西錦司、梅棹忠雄が卒業生だそうです。

これで、お二人が在籍された京大・阪大・東京教育大(現筑波大)、そして京都第一中学校をコンプリートです。洛北高校は在籍したわけではありませんが…。

この後、副校長先生に学校内をご案内いただき、洛北高校を離れました。大変楽しめた土曜日の午前でした。

Physical Review誌にLetter論文が発表されました

高温超伝導テラヘルツ光源の同期発振現象に関する筑波大学、パリ高等師範学校(ENS)との共同研究の成果がPhysical Review Applied誌のLetterセクションに掲載され、Editors’ Suggestionとして注目論文に採用されました。

Mutually Synchronized Macroscopic Josephson Oscillations Demonstrated by Polarization Analysis of Superconducting Terahertz Emitters

M. Tsujimoto, S. Fujita, G. Kuwano, K. Maeda, A. Elarabi, J. Hawecker, J. Tignon, J. Mangeney, S.S. Dhillon, and I. Kakeya
Phys. Rev. Applied 13, 051001 – Published 13 May 2020

本論文では、高温超伝導体単結晶上に作製したテラヘルツ光源から放射される電磁波の偏光(電磁波の偏り)について、素子構造のひとつから放射される場合とふたつから同時に放射される場合を比較して議論し、二つの素子構造におけるジョセフソン効果による電流振動が位相同期して強度の強い放射を実現していることを明示しています。

本研究の成果により、以下の波及効果が期待されます。

  1. 同期発振現象の解明による高強度テラヘルツ光源の実現
  2. テラヘルツ量子通信光源への応用の可能性

本研究は、当研究室卒業生である藤田秀眞氏の修士論文(2019年2月提出)での実験結果に加え、筑波大辻本グループによる精密測定と解析を得て、辻本博士、掛谷准教授、Dhillion博士 (ENS)で論文を執筆しました。本研究の技術的な肝であるテラヘルツ光学素子の検証がENSグループとの共同研究です。

Physical Review Applied誌のLetterセクションはPhysical Review Lettersと同等の観点で査読されることから狭き門でしたが、幸いにも受理され、さらにはEditors’ Suggestionにも採用されました。今後は本成果を発展させる研究を進めていきます。

筑波大学と京都大学から共同プレスリリースが出されておりますので、そちらもご覧ください。

超伝導体テラヘルツ光源の同期現象を初めて観測 -テラヘルツ量子通信デバイスの創成につながる新発見-

筑波大学プレスリリース
京都大学プレスリリース

市場調査誌Yano E plusに本研究室の成果が掲載

民間シンクタンク、(株)矢野経済研究所が発行する市場調査誌、Yano E plusの2019年10月号に本研究室が進めている円偏光超伝導テラヘルツ光源についての記事が掲載されました。

当誌では、「次世代先端デバイス動向」のシリーズ記事として超伝導デバイスに注目し、「ジョセフソン接合を結晶構造に内包、均一な電気接合を容易に得られることから、新たな電子デバイスとして注目されている!」との説明付きで固有ジョセフソン接合について紹介し、私たちの研究成果を引用しました。

福山市立大学公開講座で講演

10月12日、福山市立大学公開講座で「豊かな暮らしを支える物理学: 電気・光・波」と題して市民向けの講演を掛谷が行いました。

参加いただいたのは、主に60から70代の年配の方々で、普段講義している年齢層とは全く異なる対象に戸惑いながらも、学生に戻った気分になってもらえるように、実験を交えた授業を行いました。

講義の様子は、福山市立大学ウェブサイトにも報告されています。

城南菱創高校に出前授業

10月6日、宇治市にある京都府立城南菱創高校に京都府教育委員会「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」の一環で出前授業を行ってきました。

高校2年生を対象に電子の発見の歴史から超伝導現象の紹介まで、1時間余りで説明しました。

授業の様子は城南菱創高校ウェブサイトで報告されています。

低温工学・超電導学会関西支部講演会で招待講演

1月28日、低温工学・超電導学会関西支部2018年度第3回講演会が大阪駅前第2ビル内にある大阪市立大学文化交流センターで行われ、掛谷が
「低温工学・超伝導でくすぐる科学の芽-京都大学集積機能工学研究室の場合」
という題目で、研究の最近の進展に加えて、集積機能工学研究室で推進しているアウトリーチ活動について紹介してきました。

本会は、事業会員である企業からの発表・参加者も多いので、学術的な話だけでなく、普通の学会ではしないようなアウトリーチ活動や異分野融合研究の紹介をさせていただきました。

ご出席の皆様には、興味深く聞いていただいたようで、非常に有意義な講演になりました。

会では、上場企業の研究部長に当たる方の講演での、
「企業でできる研究を大学でやってもマンパワーの問題でうまくいかない。大学の研究室では企業でできない新しい研究をしてほしい」
とのご指摘が印象的でした。

11月10-11日 サイエンスアゴラ(東京・お台場)に出展予定

11月10-11日の間、東京・お台場のテレコムセンターで行われている「サイエンスアゴラ」に
「パリで見つけた学問の宝石箱:越境による未来の創造」
-パリ異分野融合研究者の会
のメンバーとして、フランスで始まった学際研究の紹介をする出展を予定しています。
併せて、研究室で精力的に進めている高温超伝導テラヘルツ光源の研究紹介も行います。

掛谷が京大テックフォーラムで講演

10月29日、掛谷准教授が、東京駅前新丸ビルの京都アカデミアフォーラムで行われた京大テックフォーラム『次世代光技術の開拓 ~テラヘルツ、赤外光技術とマテリアルズインフォマティクスの拓く光社会~ 』で講演しました。

掛谷は「超伝導とテラヘルツが切り拓く未来社会」というタイトルで、超伝導量子計算技術の進展から集積研で行われている巨視的量子トンネル現象の研究、並びにテラヘルツ技術の応用の紹介から、高温超伝導体を用いたジョセフソンプラズマ光源の研究の進展について講演させていただきました。

他の2名の先生方の講演も非常に興味深く、ぜひ共同研究を一緒にしたいと思わせるものでした。

企業で研究開発に携わっている方々や、ベテラン科学記者の方とお話ができ、大学の中にいるのとは全く異なる交流ができたように感じました。