「イベント」カテゴリーアーカイブ

Alexander Grib教授・川山准教授来訪

大阪大学のAlexander Grib客員教授と川山准教授にお越しいただき、ジョセフソン接合列の同期現象に関する理論研究についてレクチャーしていただきました。本研究室の最近の実験結果も紹介し、非常に有意義な議論をさせていただきました。

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(文責 辻本)

THz-Plasma2014論文受付開始

今年(2014年)11月30日から12月3日まで京都大学で本研究室主催のもと開催される国際会議
9th international symposium on intrinsic Josephson junction and THz oscillation in high-Tc superconductors (THz-Plasma2014)の論文投稿の受付を開始いたしました。

ウェブサイトはこちらです。

本会議の主なトピックは、以下の通りです。

  • 高温超伝導体におけるテラヘルツ発振
  • 高温超伝導体における固有ジョセフソン効果
  • ジョセフソン接合における位相ダイナミクス
  • 超伝導・強磁性ヘテロ接合
  • 超伝導メタマテリアル
  • 超伝導ナノ構造デバイス
  • 異方的超伝導体における磁束状態

論文の投稿を8月22日まで受け付けております。
ポスターセッションも予定しておりますので、数多くの投稿をお待ちしております。

第3回酸化物セミナーに参加

京都大学桂キャンパスで開催された「第3回酸化物セミナー」において、本研究室D1の野村が、「固有ジョセフソン接合内のCuO2層の違いによる相互作用の影響」という題目で講演を行いました。

本セミナーは工学研究科から藤田静雄研究室、田中勝久研究室、人間環境学研究科から田部勢津久研究室との合同セミナーとして、約半年に1度のペースで開催しています。今回は新たに、工学研究科の陰山洋研究室が加わりました。今後も本学における酸化物研究のサロンとして発展に努めてゆきます。

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集積機能工学セミナー(浅井栄大氏)

浅井栄大博士(産総研)をお招きして集積機能工学セミナーを開催しました。

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超伝導量子メタマテリアルの電磁場応答理論

浅井 栄大

産業技術総合研究所 電子光技術研究部門

近年、新たな電磁波制御技術としてメタマテリアル[1]に大きな注目が集められている。メタマテリアルは、対象とする電磁波の波長に比べて十分小さな「人工原子」と呼ばれる微小構造体から構成される人工物質で、人工原子の形状や配置によって誘電率や透磁率を自在に制御する事ができる。しかし、従来のメタマテリアルは古典電磁気学の限界を超えた電磁波制御を行う事が出来ない。それに対し、近年人工量子二準位系(量子ビット)を人工原子とする量子メタマテリアル(QMM:Quantum MetaMaterial)が大きな注目を集めている[2,3]。QMM においては、量子状態の重ね合わせ状態や量子もつれ状態を利用する事で、古典メタマテリアルでは達成できない新奇な電磁場制御の発現が期待できる。また、最近になってドイツのグループが超伝導回路QEDを用いた量子メタマテリアルの実現に成功した[4]。

本セミナーにおいては、超伝導量子ビットから構成されるQMMの電磁波応答に関する我々の研究について紹介を行う。数値シミュレーションの結果、QMMは量子ビットの状態に依存して極めて多彩な電磁場応答を示すことが明らかになった。講演では、レーザー発振、磁場下で生じる量子渦状態及び「人工超伝導体」の発現について紹介する[5]。

[1] 北野正雄, 応用物理 78, 503 (2009)

[2] A. Rakhmanov et al., Phys. Rev. B 79, 184504 (2009)

[3] A. Shvetsov et al., Phys. Rev. B 87, 235410 (2013)

[4] P. Macha et al., arXiv:1309.5268

[5] H. Asai, S. Kawabata, S. Savel’ev, and A. Zagoskin, in preparation.

(文責 辻本)

高野義彦氏による講演会

物質材料研究機構 高野義彦氏による講演会を行いました

 

鉄系超伝導体FeSe系の電子状態

 

~シュブニコフ-ド・ハース振動から見積もったフェルミ面と過剰鉄の相関からみた超伝導の起源~

 

物質材料研究機構 高野義彦

 

鉄系超伝導体の中でも最も結晶構造がシンプルなFeSe系は、鉄系超伝導の発現メカニズムを解明する上で最適な試料と考えられている。この系は母相としてFeSeとFeTeが挙げられるが、FeSeはそのまま約10Kの超伝導体であるのに対して、FeTeは反強磁性体で超伝導を示さない。両者はほぼ同様の結晶構造を取るにもかかわらず、一方は超伝導であり、また片方は超伝導でないのは、なぜであろうか? この疑問を解明するために、Fe(Te,Se)単結晶試料を作製し、スコッチテープ法で超薄膜微結晶を作製した。そこへ、電子線リソグラフィーを用いて電極を取り付け、電気抵抗率を評価したところ、同一の単結晶から作製したにもかかわらず、超伝導を示す試料片と、示さない試料片が得られた。それぞれ強磁場下で電気抵抗を測定しSdH振動を観測してみると、フェルミ面形状が大きく異なることが分かった。本講演では、このフェルミ面の違いと過剰鉄の関係を議論し、超伝導発現の起源に迫りたい。