酸化物Ag5Pb2O6の超伝導の発見

銀酸化物Ag5Pb2O6の超伝導を発見しました。 この物質の超伝導は1年前に我々がその存在を示唆していましたが、 決定的な証拠を得るには至っていませんでした。 今回、実験上の障壁を克服し、初めてこの物質のゼロ抵抗転移を観測することに成功しました。 さらに、非常に高感度の測定セルを作成し、地磁気などの余計な磁場を排するシールドをつけるなど、 細心の注意を払った交流帯磁率測定により、 この物質が酸化物としては初めての第T種超伝導体であることを明らかにしました。

2005年11月のTopics
銀酸化物Ag5Pb2O6の電気抵抗率の温度変化。超伝導転移によるゼロ抵抗がはっきりと確認された。挿入図はAg5Pb2O6の結晶構造図。

この成果はPhysical Review B [vol.72, 180405R (2005)]に掲載されました。 (論文はこちらでも手に入ります【京都大学学術情報リポジトリ】)

論文情報

Shingo Yonezawa and Yoshiteru Maeno
Phys. Rev. B 72 18 180504(R) Nov. 2005
The article is also available here (Kyoto University Research Information Repository).
(Preprint: cond-mat/0509018)