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日本物理学会(金沢)で2件の口頭発表

石川県金沢市の金沢大学で9月13日から16日まで開催された
日本物理学会2016年秋季大会でD3野村とM1岡本が口頭発表を行いました。

講演番号 登録番号 タイトル 著者 所属 領域
13aAC-6 2138
固有ジョセフソン接合における電荷結合のキャリア濃度依存性
野村義樹, 岡本陸, 掛谷一弘
京大院工
領域6
14pJC-11 2264
鉄ドープBi2212における固有トンネル分光
岡本陸, 野村義樹, 掛谷一弘, 臼井友洋A, 足立伸太郎A, 寺本祐基A, 渡辺孝夫A
京大院工, 弘前大理工A
領域8

Oral presentation at the Japanese Society of Applied Physics (JSAP) Autumn meeting, 2016

Asem Elarabi gave an oral presentation at the77th  Japanese Society of Applied Physics (JSAP) Autumn meeting that was held in Toki Messe (Niigata city) from the 13th to 16th of September 2016 .  The presentation was titled:

“Circularly-Polarized Terahertz Radiation from a High-Tc Bi-2212 Mesa”

Asem S Elarabi1, Yusuke Yoshioka1, Manabu Tsujimoto2, Takuji Doi1, Itsuhiro Kakeya1(1.Kyoto Univ., 2.The Univ. of Tsukuba)

The presentation got a lot of interest from the audience, and several questions were asked regarding the  radiation mechanism and the emission power.

国際会議New3SC-11で口頭講演

スロベニア共和国のブレッドで開催された超伝導に関する国際会議
“11th International Conference on New Theories, Discoveries, Applications of Superconductors and Related Materials (New3SC-11)”
に掛谷(私)が出席し、
“Intrinsic Josephson properties and superconducting fluctuation in PbSr2(Y,Ca)Cu2O7+δ films”
と題した講演を行い、Pb1212エピタキシャル膜に関する研究成果を発表しました。

参加者集合写真。掛谷は左端。
参加者集合写真。掛谷は左端。左後ろに見えるのが、ブレッド城。

本会議は、スロベニア共和国の首都リュブリャナから高速道路で1時間ほどの距離にあるブレッド湖の湖畔のHotel Golfにおいて、当地のJosef Stephan Institute およびUniversity of Ljubljanaなどの研究者によって運営されました。
また、一連の会議は、重慶科学技術院のJ. D. Fan教授が1999年より開催し続け、11回を数える伝統ある会議です。私は初参加させて頂きましたが、Fan教授の努力に敬意を表します。

主要なトピックは、超伝導体における非平衡現象で、特に最近時間分解分光により実験的に明らかになってきた超伝導体の過渡現象や隠れた秩序状態について、理論・実験両面からの活発な議論がなされました。スロベニア国内から参加した研究者が意外に多く、非平衡超伝導に関する研究の層がとても厚いことを感じました。また、イタリアのトリエステが車で2時間、オーストリアのグラーツも同じぐらいの距離で、ヨーロッパ各地からの参加者が多いことが、スロベニアの地理的重要性を示していました。

バンケット翌朝のブレッド湖。雨上がりのきれいな空。
バンケット翌朝のブレッド湖。雨上がりのきれいな空。

私の発表では、Pb1212のc軸固有ジョセフソン特性に加え、テラヘルツ時間領域分光法による複素伝導率の測定結果から超伝導揺らぎの議論を行いました。ホストの一人であるMihailovic教授からコメントを頂いたほか、数多くの研究者からの質問とコメントを受けました。

バンケットは、ブレッド湖の湖畔に聳えるブレッド城で行われました。
あいにくの雨の中、滑りやすい石段を登ったあとに始まったのは、中世風に扮した女性のトーク。この城の由来などについて説明する英語の翻訳もついていました。さらに、男性によるファイヤーワークがあり、火の玉を振り回して、そのあと飲み込むという大道芸で、単純ながらなかなか面白い見物でした。

バンケットが行われたブレッド城の上のレストラン。
バンケットが行われたブレッド城の上のレストラン。

さて、バンケットでは、ドイツ、スイス、イタリアから参加した研究者と現地の美味しいものや、研究交流の様子などについて面白い話を聞けました。すでに知り合いだった研究者も数名いましたが、新しく知り合いになった研究者とユニークな交流ができて、大変有意義な会議でした。

バンケットの様子。ワインが振る舞われている。掛谷は真ん中奥に見える。
バンケットの様子。ワインが振る舞われている。掛谷が真ん中奥に見える。
ブレッド城から見た湖。右にあるのが、ブレッド島で、スロベニア唯一の自然島。
ブレッド城から見た湖。右にあるのが、ブレッド島で、スロベニア唯一の自然島。

ASC2016で招待ポスター発表

アメリカ合衆国コロラド州デンバーで9月4日から9日まで行われた国際会議
2016 Applied Superconductivity Conference (ASC’16)
にD3の野村が出席し、invited posterとして、以下の発表を行いました。

Critical Current Density Dependence of the enhanced Macroscopic Quantum Tunneling Rate in Bi2Sr2CaCu2O8+\delta Intrinsic Josephson Junctions

 

工学研究科リレー講義「融合光・電子科学の展望」の講義実施

電子工学専攻、電気工学専攻の研究室が1回ずつ担当する「融合光・電子科学の展望」の講義を行いました。

私たちの研究室は、
「高温超伝導体固有ジョセフソン接合の物理と応用
−超伝導フェイゾニクス(Phasonics)へ」
と言う題目で、講演いたしました。

講演の内容は以下の通りです。

  1. 超伝導の基礎概念
  2. 高温超伝導体をはじめとする新奇超伝導体
  3. 高温超伝導体における固有ジョセフソン接合
  4. 固有ジョセフソン接合からのTHz波発振
  5. 巨視的量子トンネル現象
  6. 超伝導量子コンピュータの開発状況

今回は、特に最近ホットなニュースが飛び交っている量子アニーリング装置について、独自の解説を加えました。

スライドのpdfはこちらです。

小学校に出前授業

今日は、木津川市立城山台小学校にD3の野村君と一緒に出前講義に行ってきました。
新興住宅地に平成26年に開校した、新しい学校でした。

6年生24人に、「電気と低温のふしぎ」という題で、講義をさせて頂きました。
積極的に質問してくれて、ふしぎなことに素直になっている子供たちで、私たちも大変楽しめました。

それにしても、児童からの、「今までにどんな偉大な発見をしましたか?」と言う質問には、困りました。
君たちが偉大な発見をする番です。

この日の最高気温は35度、暑い中子供たちはとても元気でした。

この出前授業は、京都府教育委員会「子どもの好奇心をくすぐる体験授業」の支援を受けています。

お手伝いしてくれた野村君
お手伝いしてくれた野村君

鉛系銅酸化物の90 K級高温超伝導に関する論文が出版

本研究では、これまでに超伝導特性の詳細が明らかにされていなかったPb系銅酸化物が90 K級の高温超伝導を示すことが良質なエピタキシャル薄膜の評価によって明らかになりました。

90K superconductivity of clean Pb1212
epitaxial films

S. Komori, A. Kondo, K. Kindo, and I. Kakeya
Superconductor Science and Technology, 29, 085007 (2016).
DOI:10.1088/0953-2048/29/8/085007

90 KのPb系高温超伝導薄膜に対して原子像の観察をはじめとした結晶性の評価からパルス強磁場中での超伝導特性の変化に至るまで種々の測定を行い、基礎的性質を明らかにするとともに、現在超伝導線材応用がすすめられている90 K級のイットリウム系高温超伝導体との電気特性の比較検討も行いました。