日仏二国間事業で京都大学に滞在中のSukhy Dhillon博士(Ecole Normale Superieure-Paris)がセミナーを行いました。
“Quantum Cascade Lasers: From Modelocking to THz non-linear optics“という講演題目で、量子カスケードレーザーの原理から時間領域ダイナミクスの最先端の研究成果について講演されました。
吉田キャンパスからもご出席いただき、多くの質問が出て、非常に盛況な情報交換となりました。
アメリカ物理学会誌Physical ReviewBに、超伝導転移温度が最も高い構造である三層系銅酸化物高温超伝導体特有の現象に関する弘前大学、物質材料研究機構との共同研究の成果を発表しました。
著者らは銅酸化物高温超伝導体のうち三層系物質に特有の伝導現象を初めて報告した。主な高温超伝導体には、銅と酸素の原子面が1枚、2枚、3枚重なっている一層系、二層系、三層系の物質があり、超伝導転移温度は原子面の数が増えるにしたがって増加することが知られている。これまでの研究では、3種の構造を持つ物質の間で、量的な違いは見られるものの、質的な違いを示すような特有の現象については報告されていなかった。著者らは、三層系銅酸化物単結晶の表面に微小構造を作製して、結晶構造の積層方向の電流電圧特性を測定することで、三枚の銅―酸素原子面のうち、真ん中の銅―酸素原子面が超伝導特性にもたらす特有の役割を指摘した。
発見した現象は、結合する複数の振り子のふるまいで例えることができる。ジョセフソン接合と呼ばれる1対の銅―酸素原子面からなる構造を一つの振り子とすると、超伝導体単結晶は多数の振り子がつながっている状態と考えられる。二層系では、隣接する振り子が強く結合しているが、三層系では結合せず独立に振動していおり、その違いを著者らは見出した。
10月12日、福山市立大学公開講座で「豊かな暮らしを支える物理学: 電気・光・波」と題して市民向けの講演を掛谷が行いました。
参加いただいたのは、主に60から70代の年配の方々で、普段講義している年齢層とは全く異なる対象に戸惑いながらも、学生に戻った気分になってもらえるように、実験を交えた授業を行いました。
講義の様子は、福山市立大学ウェブサイトにも報告されています。
12月17日から19日に京都大学理学研究科セミナーハウスにて行われる第27回渦糸物理ワークショップのウェブサイトを公開しました。リンクはこちら。
皆様の参加をお待ちしております。
10月6日、宇治市にある京都府立城南菱創高校に京都府教育委員会「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」の一環で出前授業を行ってきました。
高校2年生を対象に電子の発見の歴史から超伝導現象の紹介まで、1時間余りで説明しました。
授業の様子は城南菱創高校ウェブサイトで報告されています。