本研究室の新しい論文が英国物理学会(IOP)出版局のSuperconductor Science and Technology誌に掲載されました。
私たちは超伝導テラヘルツ光源の材料である高温超伝導体の元素置換効果に着目しています。本論文では、これまで使われてきたビスマス系高温超伝導体のビスマス(Bi)元素の一部を鉛(Pb)で置換した素子を作製し、テラヘルツ分光測定などによって明らかになったPb置換効果について報告しました。Pb置換素子では発振の高周波化が期待できます。また、Pb置換によって大型単結晶の育成が容易となることは工業的に重要です。
超伝導テラヘルツ光源の実現をめざした化学的アプローチは本研究室のオリジナルな研究手法です。今後の成果にもご期待ください。
M. Tsujimoto, Y. Maeda, H. Kambara, A. Elarabi, Y. Yoshioka, Y. Nakagawa, Y. Wen, T. Doi, H. Saito and I. Kakeya
“Terahertz emission from a stack of intrinsic Josephson junctions in Pb-doped Bi2Sr2CaCu2O8+δ”
DOI: http://dx.doi.org/10.1088/0953-2048/28/10/105015
(文責 辻本)