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筑波大・辻本学助教が滞在実験、講演

当研究室に2013年から3年弱、JSPS特別研究員(SPD)として在籍した辻本学博士(現筑波大学テニュアトラック助教)が3月中旬の2週間余り滞在して、共同研究を推進しました。

滞在中には、当研究室の修士課程大学院生と実験を行い、セミナーでは研究成果のほかに、2月まで海外特別研究員として滞在していたアルゴンヌ国立研究所での様子などを報告しました。

当時在籍していた他の卒業生が研究室に訪れることもあり、旧交を温めました。下の写真は一例です。

偶然訪問した野村義樹氏(2017年博士修了、現古河電工)と野村氏がかつて使用した実験装置の前で。

日本物理学会(九州大学伊都キャンパス)で3件の発表

九州大学伊都キャンパスで行われた日本物理学会第74回年次大会に掛谷が参加し、シンポジウム講演1件、一般講演2件の発表を行いました。

掛谷が企画したシンポジウム「超伝導位相物理に基づくデバイスの進展ー非線形増幅・新奇ジョセフソン素子」には、100人を超える参加者があり、熱い討論が繰り広げられました。

講演番号 登録番号 タイトル 著者 所属 領域
14pF201-1 60062-1
はじめに
掛谷一弘
京大院工
領域6
15aS303-2 2295
Bi-richなBi-2212単結晶の輸送特性III
渡辺孝夫, 川村圭輔, 山口隼平, 佐々木菜絵, 藤井武則A, 木村尚次郎B, 谷口晴香C, 中西良樹C, 吉澤正人C, 三宅厚志D, 金道浩一D, 巴山顕E, 掛谷一弘E
弘前大理工, 東大低温セA, 東北大金研B, 岩手大理工C, 東大物性研D, 京大院工E
領域8
15aS303-3 2662
FeドープBi2212における固有トンネル分光II
岡本陸, 野村義樹, 臼井友洋A, 足立伸太郎B, 寺本祐基A, 渡辺孝夫A掛谷一弘
京大院工, 弘前大理工A, NIMSB
領域8

応用物理学会(東京工業大学)で1件の発表

東京工業大学大岡山キャンパスで行われた、応用物理学会春季学術講演会に掛谷、藤田の2名が参加し、藤田が超伝導・基礎物性のセッションで1件の発表を行いました。卒業するM2でしたが、奨励賞にもエントリーして、素晴らしい発表ができました。

藤田 秀眞1、前田 慶一郎1、アセム エララビ1、掛谷 一弘1 (1.京大院工)

キーワード:テラヘルツ発振、同期現象、偏光

積層固有ジョセフソン接合からなるメサ構造、特に最も高い出力が得られたアレイ化素子の同期振動条件の解明を目的として、2つのメサ構造を同時に動作させた場合について偏光状態を特定するストークスパラメーターの測定を行った。その得られた値から算出した偏光状態を比較すると、単独動作させた場合は楕円偏光となっているのに対して、並列動作させた場合はほぼ短辺方向への直線偏光となっていることがわかった。

卒業研究向け研究室見学会

工学部電気電子工学科特別研究(卒業研究)のための研究室見学会が行われました。

電子工学専攻に属するほかの研究室との並行開催で、5コマを同期させて進めます。

集積研への研究室訪問は午前中は寂しかったですが、午後は熱心な見学がありました。

4月からはどんな元気な学生が来るのか大変楽しみです。

平成30年度電気電子工学科学士論文試問会

卒業研究の仕上げとなる、学士論文試問会が行われました。

集積研からは以下の4名が学士論文の発表と試問に臨みました。

  • 岡崎 佑耶:「テラヘルツ時間領域分光法を用いたBi2Sr2CaCu2O8+δの複素誘電関数の測定」
  • 末木 聖大:「テラヘルツ時間領域分光法を用いたナノ粒子の伝導特性の検討」
  • 巴山 顕:「Bi系高温超伝導体におけるトポロジカル状態の検討」
  • 中村 恵大:「高温超伝導体を用いたテラヘルツ放射におけるヘリシティーの解析」

終了後は阪急河原町駅近くの「檸檬酒場」で打ち上げを行いました。

よく頑張りました。お疲れさまでした。

平成30年度修士論文公聴会

京都大学工学研究科電気系専攻の修士論文公聴会が2月6日と8日の両日、行われました。

集積機能工学研究室からは、藤田秀眞が
「高温超伝導体メサ構造アレイの同期発振に関する研究」
という題目で修士論文を提出し、その公聴会で審査を受けました。

低温工学・超電導学会関西支部講演会で招待講演

1月28日、低温工学・超電導学会関西支部2018年度第3回講演会が大阪駅前第2ビル内にある大阪市立大学文化交流センターで行われ、掛谷が
「低温工学・超伝導でくすぐる科学の芽-京都大学集積機能工学研究室の場合」
という題目で、研究の最近の進展に加えて、集積機能工学研究室で推進しているアウトリーチ活動について紹介してきました。

本会は、事業会員である企業からの発表・参加者も多いので、学術的な話だけでなく、普通の学会ではしないようなアウトリーチ活動や異分野融合研究の紹介をさせていただきました。

ご出席の皆様には、興味深く聞いていただいたようで、非常に有意義な講演になりました。

会では、上場企業の研究部長に当たる方の講演での、
「企業でできる研究を大学でやってもマンパワーの問題でうまくいかない。大学の研究室では企業でできない新しい研究をしてほしい」
とのご指摘が印象的でした。

Plasma2019で招待講演

2019年1月18日から21日までアメリカ・フロリダ州のセントラルフロリダ大で行われたPlasma2019 workshopで、掛谷が招待講演を行いました。

講演題目は”Circularly polarized terahertz-wave emission from monolithic Bi2212 devices“、高温超伝導デバイスから放射されるテラヘルツ電磁波を円偏光に制御する方法とそこからデバイス表面における電流分布の議論について報告いたしました。講演後、多くの参加者から質問があり、とくにホットスポットと偏光の関係についての議論が盛り上がりました。

また、学会では最近発見された超高圧下の室温超伝導のセッションがあり、多様な興味深い議論が繰り広げられました。

バンケットは主催者のRichard Klemm先生の自宅で行われ、50人もの参加者を収容するリビングの広さに驚きつつ、世界中から集まった研究者と楽しい時間を過ごせました。

次回の学会は、東ヨーロッパのモルドバ共和国の首都キシナウで2021年5月に開かれることに決まりました。

室温超伝導の発見者、ジョージワシントン大学のHemley教授を紹介するセッションの座長の門脇和男筑波大学名誉教授
オーランド郊外にあるKlemm先生の自宅でのバンケット

渦糸物理研究会で講演

12月3日から5日まで福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズで行われた第26回渦糸物理国内会議にて、掛谷が口頭発表を行いました。

「モノリシック超伝導ジョセフソンプラズマ光源の偏光測定と制御」
と題して、高温超伝導体からの円偏光テラヘルツ放射の進展など複数の話題を提供しました。

会議では、ボルテックスフォーラムの設立が議論され、2019年度以降の渦糸会議の実施主体をボルテックスフォーラムが担うことが検討されました。

2019年度は、集積機能工学研究室がホストとなることが決まり、掛谷がボルテックスフォーラムの幹事の一人に任命されました。